ペルシュ 2017年度新作クリスマスケーキを紹介します!
12月25日。この日の星座は何だろう?
毎年継続してクリスマスケーキの新作を考案し続けているのですが、今年はこのような切り口からのスタートでした。
ちなみに山羊座でした、クリスマスは。
星座はホロスコープとも呼ばれますが、この単語からはなぜか宇宙を連想させる響きがあることから、少し大胆なデザインを施したのです。
また、フランスのクリスマスでは、ビッシュ型のケーキを食べるのが一般的のようで、丸型のデコレーションを好む日本との文化の違いも顕著に現れているのも面白い部分ではないでしょうか?
2017年のクリスマスケーキは、コスミックなデザインも意識しながら、ここ数年敬遠していたビッシュ型を用いての新作を発表します。
クリスマス限定で企画、発表予定ですので、今後店頭販売は予定していません。気になったらすぐチェックしてくださいね!
アマルテア(Amalthea)
なお、このビッシュドノエルのネーミングの由来は下記の通りです。
ギリシア神話に登場するゼウスの育ての親である。ラテン語ではアマルテアという。彼女は時に山羊として表現され、クレータ島のイーデー山の洞窟で幼いゼウスに乳を与えたとされる。また時にニュムペーとされ、ゼウスに山羊の乳を与えて育てたとされる。
この山羊は角の片方が折れており、アマルテイアはその角に花と果物を満たしてゼウスに捧げたとされる。ゼウスはそれを山羊と一緒に星々の間に置き、山羊は最初のユニコーンになったとされる。(ウィキペディアより)
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ビッシュドノエルの新作は甘酸っぱいベリーとキャラメルの組み合わせ
紫のカラーリングを施されたビッシュ、アマルテア。
その色合いから、味わいを連想させることは重要なことです。
ビッシュの中央に配された紫色のクリームは、甘酸っぱいベリーミックスのムースリーヌです。
ピューレはゼラチンとなじませるために加熱する半量、果実の味わいを損なわないように、非加熱のものと振り分けます。
イタリアンメレンゲ、泡立てた生クリームを合わせていきます。
ふんわりとした食感のフルーツクリームを仕込み、軽い食感と口どけのフルーツクリームに仕上げます。
出来上がったフルーツクリームは型に絞り出して、キャラメル風味のソフトパウンドでクロージングします。
冷凍庫で冷やし固めます。
キャラメルタフィーの仕込み
カリカリのキャラメルフレークを、ビッシュのアクセントに加えます。
グラニュー糖に水を加えずに焦がしてから、有塩バターを加えて、しっかりと混ぜ合わせます。この作業は、チョコレートの乳化作業に等しいです。
生クリームを加えたら、焦げ付かないように火にかけ、かき混ぜながら煮詰めていきます。
シリコンマットに流し、冷え固まる前に薄く伸ばして、湿気らないように密閉しておきます。
冷めたキャラメルタフィーと、焼き上げておいたサブレクランブルを混ぜ合わせて準備しておきます。
いちごとラズベリーのクレームブリュレ
クレームブリュレのような食感に仕上げるアングレーズベースにも似たクリームの仕込み。
最初にストロベリーのジュースを作ります。強い酸味と鮮やかな色合いが特徴のセンガナ種いちご、水と少量のグラニュー糖を合わせて、弱火でいちごのエキスを抽出します。いちごは冷凍のものを用いて、浸透圧の原理を利用し、いちごの固形分からエキスを無駄なく抽出するのです。
抽出したいちごのジュースに、味わいと酸味のアクセントにラズベリーピューレを加えておきます。
jus ジュースは固形分を取り除いた、液体を差し、
purée は果肉ごと粉砕しているので、固形分のざらつきがあります。
一般的に、製菓用のフルーツピューレは、果実全てを液状に加工したもので、種類によってはその仕上がりを邪魔するものもあるので注意が必要です。
卵黄に、グラニュー糖とペクチンのミックスを加えてすり合わせます。
ゼラチンも後で加えますが、ゼラチンの凝固の仕方はプリッとした食感になってしまうので、ジャムのようにとろりと固まるペクチンを併用して加えるのです。ペクチンは熱、酸、糖に反応するため、加熱処理する前に加えておきます。
温めたジュースを卵黄に加えて、アングレーズクリームの要領で煮あげます。
この時、仮にいちごのピューレのみで作業を行うと、固形分のザラつきが加熱処理をする時に焦げ付いてしまいます。少量のピューレを加えてはいますが、全体量に対しては少量なので影響しません。ジュースのみでも若干味わいがぼやけてしまうので、バランスが難しいところです。
アングレーズが75度以上、卵黄が煮えてきたところで、ペクチンの反応を促すための酸、レモンジュースを加えて殺菌温度まで上昇させ、ゼラチンを加えてから裏ごします。
スティックミキサーできちんと乳化させます。
氷水に当てて、ゲル化を促すように冷やしてから型に流し入れて冷やし固めておきます。
ホワイトチョコレートのムースショコラキャラメル
色濃く焦がしたものから、香りの輪郭を描くような、ライトな焦がし具合。などなど、キャラメルは実に多彩な表現力を兼ね備えています。
ホワイトチョコのミルク感を引き出すためのキャラメルは、ほんのりべっこう飴に似た、香り引き立つ程度の焦がし具合で。
温めた生クリームで色止めしたキャラメルクリームを、溶きほぐした卵黄に注ぎ入れて、ベースとなるアングレーズクリームに仕上げていきます。
出来上がったアングレーズにゼラチンを加えて裏ごし、溶かしておいたホワイトチョコレートに注ぎ入れていきます。
キャラメルの色合いは程よいミルク感の感じられる色合いで、ホワイトチョコにはベトナム酸トリニタリオ種カカオバターを使用した単一品種のカカオバター由来のものをセレクトしました。
アングレーズとチョコレートを少しづつ混ぜ合わせながら、分離から乳化へと切り替わるプロセスはきちんと踏まえます。
ツヤと粘りのある状態にきちんと仕上げてから、スティックミキサーを使ってさらにきちんとした乳化状態に仕上げます。
しっかりと泡立てたホイップクリームと、キャラメルとホワイトチョコのクリームを合わせていきます。
ふたつの素材は互いに脂肪分が高いので、ゴムヘラで丁寧に混ぜ合わせます。ホイッパーで混ぜすぎると目に見えない部分での分離のリスクが高まります。
ムースショコラキャラメルを型に流し入れて、ベリーミックスのムース、ストロベリーのブリュレを等間隔に並べます。
キャラメルタフィーとサブレクランブルのミックスを敷き詰めて冷やし固めます。
断面です。
表面はホワイトチョコレートとベリーミックスピューレで仕上げたグレーズを上掛けます。
ベリーとキャラメルが最初に口を通りますが、テクスチャーの異なるメレンゲベースのムースが素早く口溶けることで、ミルキーなホワイトチョコレートとバランスを保ちます。
さらにブリュレの味わいが入り込んでくるので、ベリーのはっきりとした味わいをより強固なものにしてくれます。
サブレクランブル、タフィーのアクセントはキャラメルのまるい風味に奥行きをもたらしてくれるのです。
奇抜なカラーリングではありますが、抜かりのない構成を目指し、完成に至ったビッシュドノエルをお楽しみいただければ幸いです。
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