国産レモンで塩レモン、レモンオイルを作って仕上げた爽やかスイーツの紹介です
塩レモン。一時の爆発的なブームにも似た盛り上がりは無くとも、瀬戸内レモンがここ2年のうちに脚光を浴びるようになり、再び塩レモンにもスポットが当たるようになってきたようにも見受けられますね。
暑い季節だからこそ、その季節に見合ったスイーツを仕上げていく、提供していくのは我々のプロモーションの責務ですから、さっぱりと。では終わらない、やはりどこかに食べ飽きない奥深さも構築する必要性があります。
レモンと相性の良い食材との組み合わせと、その爽やかな香りを引き立たせるレシピ構成が重要です。
今回紹介するのは、自家製レモンオイルを使って焼き上げたシフォンケーキ、アジアンスイーツとのコラボ要素を打ち出した、ココナッツとレモングラスを用いたひんやりビジュアルのグラスデザートをご紹介します。
スポンサーリンク
シフォンケーキはフレーバーオイルで香りを強調する
今回のメインテーマとも言える食材、塩レモン。
画像のようにレモンはくし切りにして、重量の10%の塩を加えて密閉容器に入れて蓋をし、冷蔵保存で1日に1〜二回、容器の上下をひっくり返して全体に塩が満遍なく絡むようにします。次第に離水が進み、底に水分が溜まってくるのでそれに伴ってレモンもくたっとした感じになります。こうなったら完成です。
細かく刻んで練りこみ用に使用します。
塩レモンのシフォンケーキは、この塩レモンを刻んだものを加えて焼き上げた、季節限定のシフォンケーキなのです。
フレーバー、アロマともにその味わいの要となるのが、フレーバーオイル。ここではレモンオイルと、少量のヘーゼルナッツオイルをブレンドして香りを引き立たせます。
レモンオイルについては、同じ製法で仕込むオレンジオイルを参照ください。
(レモンオイルはウォッカ、ホワイトラムを合わせたもので抽出しています。)
すっきりと爽やかな香りと、シフォンのふんわりとした食感はペルシュのケーキの中でも1、2位を争うと言っても過言ではないと思います。
ココナッツ、ハーブと塩レモンをオリエント風に仕上げる
レモンの酸味、つまりフレーバーよりも、その爽やかな香りを引き出す工夫に重きを置き、フレーバーとしてはむしろその組み合わせによって美味しさがより増長するような組み立てを意識したものです。
タイ料理、トムヤムクンでおなじみのハーブ、レモングラスをココナッツと組み合わせたオリエンタルな響きの組み合わせですが、レモンと同じ香り成分、シトラールを含有しているので、レモンの酸味を抑えながらも香りをしっかりと引き立てる効果もあるのです。
牛乳に輪切りしたレモンと、レモングラスの葉と、茎の部分は割いて加え、一煮立ちさせたら蒸らして香りを引き立たせます。
お米は沸かしたお湯で5分ほど湯がいて、水気を軽く切ります。
香り立たせた牛乳にお米を戻して芯まで火を通します。この煮込みの最中もレモンとレモングラスは入れたままです。
お米が炊き上がったらすぐにグラニュー糖、水で戻しておいたゼラチンを加えて煮溶かします。
ココナッツピューレを加えて、氷水でゲル化するまで冷やします。
泡立てた低脂肪ホイップクリームと、とろみ付いたココナッツリゾットを、お米の粒が潰れないように混ぜ合わせてグラスに流し、冷やし固めます。
ビスキュイダクワ
ココナッツ、ヘーゼルナッツはあらかじめ低温のオーブンでローストして、アーモンドパウダー、粉糖、レモンの表皮を合わせて篩っておき、泡立てたメレンゲと混ぜ合わせて焼き上げておきます。
型抜きしてリゾットの上に置いて蓋をしておきます。
塩レモンのメレンゲ
メレンゲと称しながらも、その正体はレモンジュースとシロップ、ゼラチンを合わせたゼリーをホイップするもの。
このような粒感のクラッシュゼリーのような状態から高速のミキサーで5分ほどミキシングを続けます。
粒感がなくなり、完全に白っぽくなったら、刻んだ塩レモンを加えて軽く混ぜ、ミキサーから下ろします。
レードルを用いて、その都度下に沈んだレモンコンフィをすくうようにグラスに流し入れて冷やします。
キャラメルのクレームブリュレを塩レモンメレンゲの上にセットします。
発酵乳、クレームドゥーブルでレモンの風味とのまとまりを感じさせるようにセレクトしました。キャラメルのニュアンスは微弱で、フレーバーとしては大人しめです。
キャラメルブリュレの詳細はこちらから
リコッタチーズのホイップクリーム
低脂肪で近年注目されているリコッタチーズ。脂肪分も10%程度でさっぱりとしていて、保形性もあるので、種入りラズベリーのコンフィを加えて、シンプルに仕上げます。軽くホイップして、キャラメルブリュレの周りに絞り出します。
淡いピンクのラズベリーメレンゲはクリームの接地面にあらかじめチョコレートを塗っておきます。
ホワイトチョコでコーティングしたライスクリスピー、コンフィやジュレで涼しげにデコールします。
グラスデザートは上部から順に食べ進めていくので、口にするであろう順番も意識しながら構成するのもひとつのお菓子を仕上げていく上で一番気を使う部分でもあります。突出した強烈な酸味ではなく、あくまでひとつのお菓子としての完成度を追求しています。シフォンケーキも同様、「夏に食べる軽い味わい」を意図したものです。どちらの作品も気に入っていただき、お楽しみいただければ幸いです。
スポンサーリンク