ペルシュがお届けする、2018年マロンの新作クリスマスケーキ

今年の夏、フランス人シェフのお菓子技術講習会に参加させていただいたことがあったのですが、その時に紹介されていたアイテムの中にマロンを使用したものが一品ありました。その説明の中であった言葉ですが、「マロンはフランス人にとって特別なもので、ノエルには必ず特別な存在として登場するのです」
それ以来ずっと胸にそのフレーズが引っかかった感じになり、今年のクリスマスには何かしら特別な栗のアントルメ(ホールケーキ)を作りたい。と考案し始めたのです。

長野県、信州の小布施町で収穫された栗を以前から使ってみたい。その想いとも重なり、産地訪問から収穫の様子を自分の目で確かめ、特別な栗を原料からしっかりと製品にするまでのプロセスに妥協を許さない。そんな意気込みを込めての発表となりました。

ノエルマロン、サブタイトルには信州を掲げ、思いの丈も十二分に込めた2018年度の新作が完成しました。数量も限られていますのでお早めにご予約いただければ幸いです。

ブログにて栗の産地訪問に訪れた際の備忘録をまとめています。こちらから

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信州栗を生栗から加工して仕上げるノエルマロン

信州産、小布施で収穫された栗の鬼殻を、専用の器具を用いて剥がしていきます。

渋皮も取り除き、形が綺麗に残ったものを主体に、次第に糖度を上げながらマロングラッセのように煮上げていきます。
急激に糖度を上げると栗の表面が硬くなってしまうので、時間と日数をかけて徐々に煮詰めていくことで、柔らかく仕上がるのです。

一方、ペーストようにするものはスチームオーブンで20分ほど蒸して加熱処理。

鬼殻を半分に割り、スプーンを使って中身を掻き出します。

栗には総量に対して15%のグラニュー糖を加えて

ペースト状になるまで高速粉砕します。この時冷却しながら減圧(真空状態)で混ぜていくので、非加熱調理ですが糖分も上手く栗に溶け込んでくれるのです。
出来上がったペーストを用いて、アントルメの要ともなる部分、ブリュレマロンを仕込んでいきます。

栗のブリュレ

アングレーズベースを仕込み、卵黄の殺菌処理が出来たところで栗のペーストを加えて混ぜ合わせます。
アングレーズベースには、ゼラチンではなくて寒天ベースの、ルカンテンウルトラを加えます。ゼラチンの凝固とは違った、クリーミーな食感に仕上がるので、よりなめらかな質感が楽しめます。

クルミのビスキュイ

胡桃は信州産のものをローストしてからペースト状にして使用します。
くるみのロースト、ペーストについては胡桃のガトーショコラにて詳細を記載しています。こちらから

出来上がったペーストは、フレッシュバター、粉糖と一緒にミキサーにかけてふんわりと泡立て、全卵を加えてきれいに整えたら薄力粉を合わせてオーブンで焼きあげておきます。

クルミプラリネとホワイトチョコを合わせておいたクリスピーを塗り広げ、食感のアクセントも付け加えておきます。

キャラメル風味のムースショコラブラン

アングレーズベースを炊き上げていきます。
水を加えずに焦がしたグラニュー糖と生クリームを混ぜ合わせて、キャラメルを作ります。

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卵黄と一緒に合わせて、アングレーズベースを炊き上げたらホワイトチョコレートに注ぎ入れて乳化状態に仕上げます。

ホイップクリームと合わせてセルクルに流し入れて、冷やしておいたブリュレマロン、ミルクチョコレートでコーティングしておいたサブレ、クルミビスキュイを順にセットしていきます。

いろんな食感が楽しめる。そんな雰囲気が伝わってきそうな断面ではないでしょうか?
表面にはキャラメルとホワイトチョコレートで仕込んだグレーズを全体に上掛けし、サブレや胡桃、マカロンショコラで仕上げます。

素材にこだわるということは、イチから自分の求める味わいに辿り付かせることのようにも思います。栗の持ち味をどのように最大限引き出せるかにも探求を重ねました。この特別なアントルメが、クリスマスの特別な存在として、よろこびを満たせることができれば本望です。

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