ペルシュの2020年新作クリスマスケーキ ルージュ&ノワールを紹介します!
ペルシュでのクリスマスケーキは、毎年必ず新しい作品を発表する!
こんな全く表立っていないテーマを掲げ、今年はどんなものをするとイイかなー。なんて言う思いを常に頭の何処かによぎらせながらシーズンを過ごすのです。
ちょうどさくらんぼの季節、小布施町から届いたチェリーキッス(今年は一回のみの入荷に止まりました)でコンフィチュールやクラフティ。。あれやこれやと試しながら、この素材の良さをキチンと伝えるなら、やっぱり冬場。せっかくならクリスマスがベストだ!といった仮採用からの始まりでした。
チョコレートのしっかりした味わいのものも考えていたので、フォレノワールを意識しながら全体像を考え、普段はあまり追求しない、ビジュアル面でもパッと目を引く風に仕上げたかったのです。
今一度、チェリーキッス詳細についてはこちらから(外部リンク)について説明しますが、ケーキづくりをされたり、詳しい方なら必ず聞いたことのある、グリオットチェリーが正にそれです。
酸っぱい、加工用のさくらんぼだと思ってください。私自身、生のグリオットチェリーに出会ったのは業界入りして20年が経った頃です。前述の通り、最初のフレッシュのチェリーキッスを入手したときはそれこそあれもこれも。。たくさんの「フランス菓子」を作ってみたものです。
*小布施のチェリーのクラフティこちらから
*信州杏と桜桃の特別タルトこちらから
チェリーキッス&佐藤錦のコンフィを詰めた、ガトーバスクにもチャレンジしました。
来年もまた焼きたいフールセックなので、これを機に来年のさくらんぼの、チェリーキッスのシーズンを心待ちにしてもらえたら嬉しいです!
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フォレノワールをヒントにチョコレートケーキを構築する
はちみつのアングレーズクリームの仕込み
フォレノワールはキルシュとチョコレート、グリオットチェリーのシンプルなガトーです。アングレーズ(卵黄ベースのクリーム)は入っていません。
今回紹介しているルージュ&ノワール、アルコールそのものは使用こそしていますが、お料理に使うお酒大さじ2とか、みりん1とか。そんなレベルの添加量なのでご安心ください。
あくまでチェリー×チョコレートのマリアージュを軸に考えています。そして、クリスマス特有の「食後に愉しむ」という前提も、少しリッチなニュアンスを加える必要が有ったり。
酸味、甘み、カカオの苦味、食感、口溶けの速度軸をずらして、味わいの変化を愉しむ。
いろんなパーツを組み合わせて組み立てていますが、チョコレートとチェリーのお菓子。ということを前提にお楽しみください!
ローズマリーの花のはちみつを使用したアングレーズクリームです。
はちみつの半量を生クリームと牛乳の中に入れて温めておきます。
卵黄に液状のクリームを注ぎ入れて、ゴムヘラを使用してアングレーズ状に煮上げていきます。
煮上げたアングレーズクリームにゼラチンを加えて裏ごした後、配合の残り半量のはちみつに注ぎ入れてはちみつを溶かすように馴染ませて、ゼラチンがゲル化するまで氷水で冷やしておきます。
適度に固まったら、シリコン型に流し入れて冷やし固めます。
はちみつの酵素は60度を越すと分解されてしまうため、このような製法を取り入れています。はちみつの風味も熱でその良さが損なわれてしまうのです。
卵黄とクリーム類を混ぜてアングレーズを仕込む時も、糖分をつなぎにしないと加熱したとき分離したクリームになってしまうのです。
チェリーキッスのコンポート
チェリーキッスは冷凍保存されたものを使用します。
半分にカットして、種を取り除き、準備します。
グラニュー糖、ジュレデセールを混ぜておいたものを加えて、火にかけて掻き混ぜながら煮詰めていきます。
チェリーのリキュールとコンスターチを合わせて溶いておき
水分が半分ほど無くなったチェリーキッスに注ぎ入れて混ぜ合わせます。
とろみがついた、ソース状に仕上がったら完成です。氷水で冷やしてストックしておきます。
いちごとチェリーキッスのムース
いちごと酸味のあるチェリーキッス、2種のフルーツピューレ、チェリーリキュールでフレーバーのベースを組み立てます。
ホイップクリーム、イタリアンメレンゲを合わせて、軽めの食感と口溶けを構築します。
出来上がったムースに、チェリーコンポートを加えてそっと混ぜ合わせます。
シリコン型に出来上がったムースを分割して、先に仕込んでおいたはちみつのアングレーズクリームを貼り合わせ、再度冷やし固めます。
ローズマリーの香りは個性的なツンとした芳香がありますが、ベリー類の酸味と組み合わせるとその味わいをより引き立たせる様に感じます。
チョコレートのケイク
マドレーヌの製法同様に、土台部分のチョコレートパウンドを仕込みます。
卵とグラニュー糖、小麦粉とアーモンドパウダーを混ぜ合わせたところに、熱く溶かしておいた溶かしバターを加えながらしっかりと混ぜ合わせ、乳化状態に仕上げていきます。
エクアドルカカオのブラックチョコレートと生クリームを合わせたガナッシュを加えて生地を完成させます。
ココアパウダーを加えないので食感も柔らかく仕上がります。一晩冷蔵で休ませてから使用します。
エクアドルカカオのムースショコラを仕込む
カカオ分71%でありながら、カカオのもつ甘みと香りが上質さを物語る、エクアドル産ナシオナル種カカオを用いたムースショコラを。
泡だてた卵黄、パータボンブとホイップクリーム、チョコレートを合わせる、濃厚な味わいでありながら、空気もたくさん含んでいるので口溶けも軽やかです。
当店定番人気商品のショコラスペシャルでもその製法の詳細をご覧いただけます。こちらから
ムースショコラの中に、先に仕込んでおいた二種類のクリームを置いて、チョコレート掛けしたクランブルカカオを散らし、ケークショコラでフタをする様にセットしたら仕込みの完成です。冷やし固めて赤いチョコレートスプレー、カカオのグレーズで左右をそれぞれコーティング。マットなテクスチャーとグロッシーな質感を相対的に、チョコレートとベリーを連想させるニュアンスカラーとして、クリスマスイメージカラーとしても仕上げました。
クリスマスツリーのオーナメント風にホワイトチョコレートのデコールも添えています。2020年新作の味わいをぜひ楽しんでみてください。
ケーキの断面です。
2020年度より、クリスマスケーキの予約をwebからもご利用いただけます。こちらから
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