2022年新作クリスマスケーキの紹介です
毎年クリスマスケーキの新作を発表すること 自分自身に課した課題です。
毎年のクリスマスを楽しみにして欲しい、という願いを込めての挑戦をし続けています。
世相を鑑みても、アフターコロナ、ウィズコロナに伴った共生や共存。そもそもクリスマスケーキの概念こそが集いの場に花を添える役割な訳ですもんね。テーマ性も何もあったもんじゃない。
毎年一番新作のクリスマスケーキを考える時にアタマを悩ませるのが、テーマ性。例年、バレンタインシーズン頃には今年のクリスマス、どうしよっかなぁ、など既に色々と思案し始めています。
目新しい素材や食材。という側面よりも、「何故自分はこれを世に放つのか?」そんなアイデンテティが自分の原動力なんです。お互いが楽しめるって大切だとホント切に思うんです。
そんな折、今年は
ペルシュ20周年という節目もあって
ある種、自身の中での原点回帰。そこに至ることが出来た気付きです。
26歳でペルシュを起業させてもらって、その時って、「せめて地域一番位は絶対獲りたい!」なんて漠然とした野望もあったわけですよ。若いっていいですよね?笑
でも、同時に最初から?初めから?此処に。ペルシュに来ないと味わえない何かを自分色で表現したい。そんなキモチは持ち合わせて居たんですのね。それは今も変わらない想いです。
自分がはじめて出会って以来、今でも変わらないキモチで好きで居られる食材の一つ、ジャンドゥーヤです。
今ではペルシュの看板商品のひとつとしてその存在を確立させた、コキーユ。coquille。貝殻を模した形に絞ったクッキーに、ジャンドゥーヤを絞り出して貼り合わせたら、ブラックチョコレートを付けて仕上げたクッキーです。
自分で想いを込めてつくり続けたコキーユは、焼き菓子にもかかわらず、週2回仕込まないといけないほどの人気商品になりました。たくさんの方に推していただけて、嬉しいキモチでいっぱいです。
https://www.perruche.jp/11698.html
そんなジャンドゥーヤをオリジナルの絶対無二に押し上げたのは、今現在長野県でヘーゼルナッツの国産化に奮闘されている、作りたて生アイスの店ふるフルのオーナー、岡田氏との出会いとご縁の賜物なんです。
https://www.instagram.com/nama_ice_furufuru/
最初にお会いしたのは製菓用機械をご紹介していただいたご縁がきっかけ。
「是非観ていただきたいマシーンがあります。きっと谷下さんなら使いこなせるでしょう」
おだてても何も出ないよ?でも面白そう。。半信半疑の中、自分自身の行動と衝動しか信じない。
そうやってご紹介いただいた翌週には長野県まで車をすっ飛ばしてその全貌を観に行った、真空ミキサーQbo。今こうやって書き綴って、自分の中で湧き上がる自身の歴史に何故か震えるという謎行動。笑
Qboというオモチャ(新しい。に挑戦できるアイテム)があるからこそ、他の追随を許さない。むしろ自分がより自由に素材を表現できるきっかけを与えてくれるものだと思っています。
そして素材にイチから触れる姿勢の尊さ?その素材を育てたり作ったりされている、生産者さまたちのお顔を拝見し、お話を伺って。素材を愛でることから、お菓子づくりをスタートさせる。ひとつの行動と決意により、深淵の部分にも探究が強まりました。
そんな、とても言葉で言い表せない想いの丈みたいなものがギュッと凝縮された作品に仕上がりました。ホント、泣いても笑っても、今シーズン限りの提供。と考えております。
(煽ってるわけではありません。自分にとって、今回の発表そのものをとても大切にしたい想いがそうさせることをお許しください)
前置き、というか語りがとてもアツくなり、長くなってしまいましたが、前述のコキーユ、そしてサブレショコラノワゼットでも使用している、イタリアピエモンテ産ヘーゼルナッツを(将来的に長野県産を熱望しています)自身の思い描く味わいにロースト、加工まで一貫して行える、表現する強みを存分に発揮できる様に思っています。
そしてもうひとつの素材として選んだのが、カカオトレース認証のチョコレート、60days。鮮度の高いカカオ、ということでチョコレートのフレーバーやアロマの分析について此処では言及しませんが、カカオの持つ味わいのボリュームとヘーゼルナッツとの相性の良さを感じてもらえる様考案しました。
商品名にも20ans Perruche、ヴァンタンペルシュ。を冠して、いつも以上に想いを込めた作品に仕上がっております。
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ヘーゼルナッツとサステナブルカカオでつくるクリスマスケーキの製法
ビスキュイダクワーズノワゼットの仕込み
泡立てたメレンゲに、ヘーゼルナッツ、アーモンドのパウダーと粉糖を合わせてふるったものを一度に加えて混ぜ合わせます。
メレンゲの気泡を潰さない様、丁寧に混ぜて生地を完成させたら
渦巻状に生地を絞り出し、粉糖を振りかけてから200°のオーブンで焼成します。
自家製プラリネノワゼットのムースリーヌ
加糖したナッツのペーストをプラリネと呼びます。ノワゼットはヘーゼルナッツの仏語呼びです。
粗挽きした自家製ヘーゼルナッツプラリネの味わいをストレートに表現する手法として、シンプルな構成のムースアレジェを仕込みます。
チョコレートガナッシュの仕込みと同様に、温めた牛乳にゼラチンを加えたものをヘーゼルナッツプラリネに注ぎ入れて乳化させます。
油分をきちんとつなげておくことで、口溶け豊かなクリームに仕上がります。
ホイップクリームとふんわりと合わせます。
ビスキュイダクワーズで蓋をして冷やし固めます。
ふんわりと泡立てた卵黄、パータボンブとホイップクリーム、チョコレートを合わせていきます。
パータボンブについて、製法の詳細もご覧いただけます。こちらから
卵黄に含まれるレシチンの乳化力を活かして、チョコレートと合わせながらよりしっかりとした結晶化を促します。この作業が生チョコの様な口溶けも産み出し、滑らかに口の中でカカオの風味が広がっていくのです!
おおむね1/3量のボンブクリームを合わせたら、ホイップクリームを加えてさらになめらかな状態に。
チョコレートがなめらかな状態になったところで、ホイップクリーム、パータボンブの順に混ぜ合わせ、空気をたくさん含んだ、ふんわりとした食感のチョコレートムースが完成します。
ケーキの組み立てと仕上げ
ムースショコラを流し入れたら、ノワゼットクリームを埋め込みます。
ムースアレジェでも使用したプラリネノワゼットに、パートドゥノワゼット(無糖のヘーゼルナッツペースト)を合わせ、ミルクチョコレートを合わせた「ジャンドゥーヤクリスピー」を準備します。
刻んだヘーゼルナッツを加えて食感にアクセントを加えます。
ビスキュイショコラにジャンドゥーヤを塗り広げたものでムースショコラに蓋をして
アントルメの底部分には、サブレショコラノワゼットと同じパートを焼き上げて使います。これをビスキュイショコラの底に貼り付けます。
チョコレートのグラサージュにも60daysを使用しており、チョコレートの味わいを豊かに感じていただけます。
思い出に残るお菓子のひとつになれます様。ご予約お待ち致しております。
https://www.perruche.jp/12826.html
2022年度クリスマスケーキ一覧は上記リンクから
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