貴腐ワイン、ソーテルヌが織り成すケーキの甘美な世界。レアチーズとパウンドケーキ。
「貴腐」とは、貴腐ブドウの腐敗したかに見える外見からは想像しがたい芳香と風味のワインが得られることからそのように呼ばれるものである。
ソーテルヌ
(フランス) ソーテルヌとその北に続く5つの村で生産されるソーテルヌ・ワインは、セミョン種とソーヴィニョン・ブラン種のブぶどうで作られる貴腐ワインで、蜂蜜のような香味を持っていて、デザートワインとして味わわれています。
といった予備知識をふまえて、新作のケーキについてお話させていただきますね。
カマンベールレアチーズ ソーテルヌワインのジュレを添えて
カマンベールレアチーズ。
冬場に販売していた定番レアチーズ。
構成的にはもち米粉を用いた蒸し焼きスポンジ、ラベンダーはちみつのババロア、カマンベール風味のレアチーズ。といった組み立てでした。
夏向けに再構築する。
よりアシェットデセール(皿盛りデザート) に近いイメージをカップに組み立ててみました。
ワインと相性の良いクルミ。
軽くローストしてクルミの持つ甘みを引き出してから、粒が少し残る程度のペースト状にします。
カスタードクリームを混ぜ合わせてシンプルなクリームに仕上げます。
型に絞り入れてから、メレンゲベースでふんわりとした食感に仕込んだカマンベールレアチーズクリームをその上から絞ります。
蒸し焼きスポンジをセットします。
ラベンダーはちみつのババロア。
はちみつの中でも甘い香りが際立つはちみつは、塩気のある食材との相性、さらには貴腐ワインとも相性が良いといえるはちみつだと思います。
二種類の白ブドウ。
左手がゴールデン。セミドライタイプで、皮のハリが特徴的。ほのかな酸味もあります。
右手、サンマスカットレーズン。ドライタイプですが、そのまま食べるとグミのようなの食感が楽しめます。
湯通し、というよりは、お湯に軽くくぐらせる程度のイメージです。
冷蔵にて貴腐ワインに漬け込んだレーズン、ソーテルヌワイン。
出来上がったはちみつのババロアに加えて、流し入れます。
クルミとカマンベールレアチーズクリームをセットします。
ソーテルヌワインのジュレ。
海藻由来の凝固剤を用いて作ることで、つるんとした食感と、透明感のあるものが出来上がります。
クルミとはちみつとワイン。
アペリティフ(Apéritif)のイメージそのままに組み合わせてみた創作のヴェリーヌですよ。
はちみつとブロンドレーズンのケイク
前述のブロンドレーズン、サンマスカットレーズンを合わせたものを、同じく貴腐ワイン、ソーテルヌに漬け込んだレザンポシェを練りこんだパウンドケーキです
ここで組み合わせるはちみつはフランスシャンパーニュ地方で収獲されたものをセレクト。スッキリとした、柑橘系の軽やかな味わいのはちみつを贅沢にパウンド生地に練り込みます。
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焼きあがったケイクは熱いうちにソーテルヌワインのシロップにくぐらせ、しっとり感と香りをまとわせます。
ワインもアルコールが強い、といったイメージが強いかもしれませんが、思いのほかフルーティで軽やかな味わいのに驚かれることでしょう。
さわやかな季節にピッタリですよ、ソーテルヌワイン。
季節を愉しむお菓子のご紹介をさせていただきました。