バレンタインコンセプトチョコレート 2015
不思議の国のショコラ
今期のペルシュのバレンタインコンセプトチョコレートはかの有名な物語をモチーフに、パフューム(香水)で物語の世界観を表現し、食に具体的に結びつけるため、香水の香り成分をアロマテラピーを基に分析、再構築して食材として具現化、構成されたオリジナルチョコレートコレクションとなっております。
物語を6つのチャプターに振り分け、それぞれの情景をニュアンスさせるプラリーヌ(ボンボンショコラ)に仕上げました。
1. chase
マンダリン、ベルガモット、セイロンシナモンの香りを加えた、タンザニアカカオミルクのガナッシュ。
2. encounter
ハイビスカス、ローズヒップのアロマが漂うスイートなホワイトチョコレートのガナッシュと、ローストカカオビーンの苦味がアクセントのビターガナッシュのビクーシュ。
3. drink,or bite
クランキーなビスケットを彷彿させるクロカント。やさしい甘さのキャラメルショコラの二層仕立て。
4. conversation
カモミールローマン、フェンネル、アニス。
優しくも複雑な余韻を残すミルクチョコレートのガナッシュ。
5. a game
八角の香りを加えたバナナのパートドゥフリュイ、ロマンティックなアロマの稀少種アプリマクのビターガナッシュをビクーシュで。
6. Judgement
ライム、グレープフルーツのパートドゥフリュイ、モミの新芽の香りを加えたミルクチョコレートのガナッシュ。
* ビクーシュ 二層仕立て
* パートドゥフリュイ 煮詰めたフルーツゼリー
なお、それぞれのチャプターの解析は下記の通りまとめました。
〜■はパフューム、●はアロマ、チャプターに対するキャプションはシェフ独自の物語に対する解釈〜
① Chase 追跡
ウサギの穴に飛び込むシーン。退屈な毎日からの脱却。もしくは新しい始まりへの渇望。
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■思春期のような幼児性が残る危なっかしい香り。
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●甘さ・可愛らしさ・スタート・キャンディー。甘さの中にスーッとする感じのレモン、ベルガモット…。その中にオレンジやラベンダーの甘さも。
② Encounter 遭遇
いろいろな生き物に遭遇し活路を切り開こうとする意欲、自身の二面性をコントロールする。あるいは動物が相手であるという前提で相手を見下すとも見える少し厭らしいシーン。
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■混乱の香り。戸惑う。決まらない。
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●甘みから苦みへ。ローズウッドがしっくり。二面性という点では、リラックスと官能的な大人の香りを持つジャスミン。
③ drink,or bite 口に含む
アリスが何かを飲んだり食べたり体内に吸収することで、自身の大きさを自在に変化させることができる。食の観点から見ると一番の見せ場。
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■衝動。直球で欲を刺激する香り。
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●人肌になじむ安定した香り。クッキーやクランキーのような食欲を刺激する飽きのこない甘さ。オレンジ、ジンジャー、スウィートフェンネルなど、スパイスがますます本能を刺激。
④ conversation 会話
そもそも動物との会話自体ありえないと言えばそれまでですが、あえて言うなら利己的な自己主張でしょうか。
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■真実は裏に。綺麗に見せることを知ってしまった人へ。
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●つける人、つける日で予想に反した意外性を持つ香り。
優しさの裏にしたたかさを隠し持っているようなスウィート&フローラル。カモミールローマンやスターアニス、金木犀など。
⑤ a game 駆け引き
クリケットゲームにおいての秩序のなさやあざとさ。不公正な駆け引きのやり取り。
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■動悸。妖しさを前に緊張している。
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●駆け引き的な…本当に人を惑わせる香り。動物的な香りと甘いミントのような香りの中にゼラニウムやローズなど花のような香りも。
⑥ Judgement 裁判
不条理がまかり通ることに対しての苛立ち。薄っぺらい心情の変化は表裏一体とも取れ、それをあえてトランプのカードに表現したのでは?
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■輪廻、終わりと始まり。
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●ジュニパー、サンダルウッドなど少し柑橘を思わすような香り。さらに木々の向こうに柑橘があるようにも。シダーウッド、樟脳、ネロリ、ライムなど。
店頭での販売は1月下旬を予定致しております。どうぞご期待くださいませ。
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↑コンセプト編
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↑パフューム編
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↑アロマ編
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↑まとめ編
それぞれの詳細はペルシュブログにて配信いたしておりますので是非ともご覧いただき、不思議の国のショコラをより深く感じてくださいませ。