フルーツのフレーバーとミルキーな味わいを生かしてホワイトチョコレートのケーキを作る
爽やかな味わいを求めてしまう、鬱蒼とした梅雨の季節。
もともと亜熱帯気候が原産のライム( インドからミャンマー、マレーシア一帯の熱帯地域) を取り入れた、すっきりとした柑橘の味わいを主役に。オリエンタルな印象が際立つ、気候に逆らわない、自然と欲する味わいへと誘います。
タルトレットコロレ
coloré 。カラフルな、というネーミングのタルト。ホワイトチョコレート、ブロンドチョコレートをブレンドして、甘ったるさも軽減したライム風味のムースショコラを味わいのベースに。食べ応えのあるタルトをご堪能くださいね。
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ホワイトチョコレートとエキゾティックフルーツを組み合わせる
エキゾティックフルーツのソテー
ジューシーで甘味たっぷりな、南国育ちのフルーツを加熱して余分な水分を飛ばしながら、味わいを凝縮させていきます。
最初に、熱したフライパンにバターを引いて、パイナップルを加えます。水分が出てきたら、ミュスコバドシュガーを加えて、水分がある程度なくなるまでじっくり火を通します。
続いて輪切りにしたバナナ。パイナップルの旨味を絡めながら、火を通します。
最後にマンゴー。
果肉の固い順に加えていき、最後のマンゴーはクタっとし始める程度で火を止めます。過度の加熱で煮崩れを起こさないようにします。バットに広げてしっかりと熱を抜いておきます。
から焼きしておいたシュクレ生地にアーモンドクリームを絞り出して、ソタージュしたフルーツを適量のせたら、オーブンでしっかりと焼き上げます。
こんがりと焼けたらオーブンから取り出します。
もちろんタルト単体で召し上がっていただいても十分お楽しみいただけます。
ムースショコラシトロンヴェールの仕込み
カスタードクリームをベースに、チョコレートクリームを仕上げていくにあたって何かと都合の良いクレームパティシエール。水分をしっかりと飛ばし、乳化を促す役割のカゼインを含んだクリームに、少量のバターを加えて、油脂分の調整をします。
クレームパティシエールにゼラチンを加えてから、ホワイトチョコレートとブロンチョコレートを合わせて溶かしておいたものに一度に加えて、しっかりと混ぜ合わせます。
軽く混ぜ合わせるだけで、しっかりとした乳化状態に。
粉乳をキャラメリゼするようにしてコンチングした、ブロンドチョコレートは、ホワイトチョコレートに対して概ね20%をブレンドします。ほんのり感じるライムの苦みとキャラメルの味わいは好相性。加えて、甘ったるい印象を与えがちなホワイトチョコレートにキチンとした輪郭もつけてくれます。
ライムは果皮を加えます。果汁は乳のざらつきを引き起こす原因を引き起こすため、果皮でしっかりと香りをつけます。
泡立てた低脂肪ホイップクリームと、なめらかに混ぜ合わせます。
ゴムヘラを用いて、なめらかな質感と口どけをしっかりと意識しながら。というのが重要です。
クリームを絞り出したら、タルトレットでフタをして冷やし固めて
ホワイトチョコレートのグレーズをかけて、ライムカスタードの、「ライムカード」を渦巻き状に絞り出せば完成です!
一見、シンプルなタルトショコラ。そんな印象の断面ですが、クリームとタルトのバランスと口どけ、そしてライムの香りとキャラメルのフレーバーとしての余韻の長さと、アーモンドの奥行きをその二つが引き立ててくれる。不思議な関係性に気づくことができるわけです。
見た目の可愛らしさとは裏腹な味わい、ぜひともおためしくださいね!
オリエントテイストを中国茶のジャスミンで組み立てる
沸騰直前まで温めた牛乳にジャスミン茶葉を加えて、香りを抽出します。
裏ごします。注意が必要なのが、ジャスミン茶は渋みや苦みを含む緑茶ベースであるということ。
茶葉を押し付けたりせずに、その豊かな香りの恵みを取り出したら、
ゼラチンを煮溶かして、溶かしておいたホワイトチョコレートに注ぎ入れます。
水分と反応することで一旦分離しますが、乳化をきちんと促してツヤと粘りのある状態を形成します。
出来上がったガナッシュはソースのようにさらりとしているので、氷で冷やして、ゲル化を促してから
ふんわりと泡立てたフレッシュクリームと混ぜ合わせます。
ガナッシュも生クリームも共に油脂分なので、混ぜすぎると目に見えない部分で分離を引き起こしてしまいます。
ゲル化とカカオバターの結晶化する温度帯もそれぞれ違うので注意が必要です。
出来上がったムースショコラを型にしぼり入れて、あらかじめ焼き上げておいたケイクショコラを沈めます。
冷やし固めたら、マンダリンとベルガモットのフルーツカスタードクリームを絞り出して表面を平らに整えます。
ジャスミン
クリーミーなホワイトチョコレートにオリエントな香りを加えて仕上げた、風味豊かな味わい。ケイクショコラはガナッシュベースでリッチな食感ですが、ジュレが先走るこの季節にあえてしっかりとした食感のコントラストを持たせました。
マンダリンジュースのジュレはゼラチンベースで、ムース全体を覆っています。
トップにはジャスミン茶を煮出したジュレ。カラギナンベースでつるんとした口どけ。
フレーバーはシンプルな構成ですが、口どけの時間差でいろんな味わいを楽しむことができますよ。
フルーツのフレーバー、ホワイトチョコレートをたくみに組み合わせれば、甘ったるい印象のホワイトチョコレートも、ミルキーで豊かな味わいの奥行きを与えてくれる役割を果たしてくれるのです。
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