レモン使用の夏らしいスイーツができました。
爽やかな酸味が夏向けのスイーツとしても人気で、ゼリー、ドーナッツ、マフィンなどなど。最近では瀬戸内のものでも人気の、レモンのケーキを夏向きのスイーツとしてペルシュスタイルでご紹介いたします。
レモンといえば、ハニーレモンやヨーグルトとの組み合わせも人気ですが、今回の新作ではふたつの乳酸菌由来の素材、ヨーグルト(牛乳発酵)とクレームドゥーブル(生クリーム発酵)。これらの乳酸の香りや味わいをレモンの酸と組み合わせていきます。
リモーネ
同系色のグラデーションで見た目にもポップに仕上げた、レモンのスイーツを順を追って解説しますね。
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パイでもタルトでもないレモンスイーツ
シチリアンレモンジュレ
レモンはシシリー島のジュース。同じくシシリーのクラッシュレモンピューレをブレンドして温めます。
ゲル化剤、ジュレデセールに熱い状態のレモンジュースを加えて溶かし込みます。
ゼラチンではセット力が弱くなるため、ここでは植物性由来のものをセレクト。冷却してゲル化を促してからシリコン型に流し入れます。
ヨーグルトの軽いムース
ヨーグルトが全体の2/3量を占める、味わいそのものがヨーグルト。とも言えるクリームの仕込み。
トラディッショナルなイタリアンメレンゲ。糖分がしっかりと含まれたメレンゲは泡立ちも強く、クリーム全体の糖分もここで賄います。
軽く温めたヨーグルトにゼラチンを合わせ、ごく少量のホイップクリーム(全体の20%程度)、泡立てたメレンゲを合わせていきます。
メレンゲの空気をきちんと含んだ、ふんわりとしたムースの完成です。
レモンのジュレの上に絞り出します。
クレームブリュレドゥーブル
卵黄、生クリーム、そして画像で確認出来るクリーム状のものが、クレームドゥーブル。
ヨーグルト同様、乳酸菌の香りが漂うクリームを加えて、クレームブリュレのようなとろんとした食感のアングレーズクリームを炊き上げていきます。
炊き上がったなめらかなアングレーズ。
加熱と同時に爽やかな発酵乳の香りが広がります。
型に流し入れて、別立てで焼き上げたレモンのソフトスポンジでフタをします。
レモンのビスキュイはバターは不使用。レモンジュースを加えて、しっとりとした軽い口どけに仕上がっています。
はちみつレモンカード
砂糖を加えて溶きほぐした卵に、温めたレモンジュースを加えてカスタードクリームのように炊き上げます。
加熱と共に、つややかでぷるんとしたカスタード状に炊き上がっていきます。
炊き上げたレモンカードにはちみつを加えて混ぜ合わせます。
はちみつの香りや味わいは加熱により飛んでしまうため、熱処理を終えたクリームに加えるようにします。(ただし必ず熱い炊き上がってすぐのものに合わせ、60度以上に調整する。)
熱が取れたらヨーグルトムースの上に絞り出して、クレームブリュレドゥーブルをセットします。
ハニーレモンカードは、マカロンのサンドでも使用します。
クリームをサンドしたマカロンは、飾りではレモンジュレと触れてしまい、コックが吸水現象を起こしてしまうので、テンパリングしたブラックチョコレートで土台を作っておきます。
断面は等間隔で並ぶ、ふたつの食材があたかもシンメトリーのように構成しています。
トップノートにはレモンのはっきりとした酸味、続いてメレンゲがたっぷり含まれたヨーグルトムース。油脂分が少なめなので、口どけのスピードは幾分早めに感じられます。
そして乳味のしっかりとしたクレームブリュレドゥーブルの味わいは最後の方に訪れます。
ただし口どけの良い油脂分で構成されているので極端な時間差を感じることなく、順番に味わいとして現れていくのです。そして再びレモンの酸味が口の中の余韻として残るのですが、乳味もその酸味の後で穏やかに広がっていくので楽しめることは間違い無いですよ。
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