栗とカシスを組み合わせたふんわりムースとこんがりタルト
栗とカシス。
デンプンの糖化にも代表されるように、栗も糖度がある程度必要。それは栗の持つおいしさが存分に味わえる。という意味合いからです。現にフランス産のマロンペーストは甘みもしっかりとしていて、もしかしたら我々日本人の慣れ親しんでいる餡子の立ち位置なのかもしれませんね。
フルーティで、酸味も渋味もあって。。カシスという果実は、本来淡白な味わいになりがちな栗にしっかりとしたアクセントを加えてくれる存在として定着した組み合わせなのかもしれませんね。酸味も渋味も、甘みを中和するような役割だったりするのかもしれないですが。
卵黄と卵白を使い分ける
口溶け。という観点から捉えると、今回はリッチなマロンフレーバー。これには卵黄とシロップを合わせた、パータボンブを。軽やかなイタリアンメレンゲで口の中にも残らないように目論んだカシスのムースにはしっかりとマロンのフレーバーに輪郭をつけてくれます。
タルトマロンカシスその味わいの妙をお楽しみくださいね。
フランスではポピュラーなマロンカシスのケーキを組み立てる
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ムースマロンの仕込み
マロンペースト(右)と、マロンピューレ。加糖して仕上げたペーストタイプ、そして甘みのバランスをとるために、無糖タイプのピューレをブレンドします。
二種類のマロンペーストをミキサーでよくなじませたら、溶かしたゼラチンに少量づつペーストを加えていきなじませます。凝固させるためのゼラチンは、出来上がるムースの総量に対して加えるため、マロンペーストも慎重に少しづつなじませていく必要があります。
泡立てておいて、軽く室温に戻した低脂肪タイプのホイップクリームを、少しづつマロンペーストになじませていきます。ここでも冷たい生クリームが急激にゼラチンの反応を促してダマにならないように注意します。
マロンペーストも生クリームを加えて次第になめらかになったところで
あらかじめ泡立てておいた、パータボンブを加えて、ムースマロンを完成させます。
クリーミーな仕上がり。全体的に重たい質感になりがちですが、仕上げにふんわりとしたテクスチャーを加えて、クリームのバランスをうまくとります。
ローストしておいたヘーゼルナッツと、アーモンドのパウダーをブレンドして、タルトダマンドノワゼットを仕込みます。
から焼きしたシュクレに、できあがったクレムダマンドノワゼットを絞り出して、手で割った渋皮つきの栗をのせたら、180度のオーブンでこんがり、しっかりと焼き上げます。
シリコン型に、ムースマロンとムースカシスを交互に絞り出したら、焼き上げて冷ましておいたタルトをセットして冷やし固めます。
チョコレートのデコールを作る
紫に着色したカカオバター。白色のカカオバター。それぞれを結晶化したら順番に刷毛で模様になるように、透明のフィルムに広げます。
テンパリングしたホワイトチョコレートを薄く広げて結晶化させたら
テンパリングしたミルクチョコレートを丸い型で押し付けて、栗とカシス。2色の味わいを表現したデコレーションディスクの完成です。
カシス。広がりのある、マロンの味わい。再び訪れる、カシスの酸味の余韻。ハードに焼き上げたシュクレの歯ごたえ。ナッツやバターの旨味。決して多数の素材が加わったわけではなく、シンプルに、食感と口溶けに時間差を与えただけ。感じ方はもちろん人それぞれです。是非一度体感してみてくださいね。
関連リンク:
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