新年のお祝い菓子ガレットデロワの紹介と、年末年始の営業案内
王様のお菓子という意味を持つフランス伝統菓子「ガレットデロワ」
フランスでは新年にガレットデロワを家族や友達と集まって一年のはじまりに切り分けたガレット・デ・ロワの中からこのフェーブが出てきた人は、王様(女王様)になれるのです。王様(女王様)になった人は王冠をかぶってその日一日みんなから祝福されます。
ご家族やお友達とひとつのお菓子を分け合って、お互いの幸せを願う。そんなフランスの楽しい風習に倣って、皆さまもこのお菓子で、新年をお祝いしてみてはいかがでしょうか。
伝統的なアーモンドクリームではなく、味わい豊かなピスタチオと松の実で仕込んだクリーム。そしてフランス産バターで仕込んだパイ生地で香ばしく焼き上げました。
ちなみに今回ガレットデロワを販売するにあたり、酉年にちなむのと同時に、店名「ペルシュ」の、楽園の鳥たちのフェーブ(種類は指定できません)と、紙製の王冠を別添えにてお付けいたします。
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手折りのパイ生地を仕込む
ガレットデロワを焼き上げるにあたって、一番こだわりたかったのがフィユタージュ。折りパイ生地です。
デトランプの準備
デトランプ。簡単に言えば中種の事です。まずは画像の材料を準備します。
強力粉、薄力粉、塩、水、白ワインビネガー、溶かしバターです。
塩と冷水
冷えた溶かしバターを順に加えます。この時、生地と水分を完全に混ぜ合わせずに、ある程度まとまったムラのある状態で丸く成形します。
生地の質感はこのようなザラザラした状態。十文字に切り込みを入れて、冷蔵で一晩休ませます。
生地を練り込むとグルテンが出てしまう。ということ、そしてグルテン形成の要因は、水分と小麦粉の粒子が結合することによっておきます。温度が高い条件下でもグルテンは出やすくなります。
翌日、休ませておいた生地の切り込みを入れておいた箇所を指で広げ、麺棒で伸ばします。
折り込み用に使用するバターは、フランス産AOP、ラヴィエット社のバターを。
AOPバターの詳細はこちらからどうぞ
製造過程で自然と付く発酵臭は、まさに上質です。これを切り分けてビニール袋に入れて叩いて、シート状に伸ばします。
伸ばしておいたデトランプの中央にバターを置いて
四隅から生地をたたんで、バターが飛び出さないようにしっかりと押さえつけます。
生地を麺棒で伸ばしていき
両端を中心に折り合わせて、三つ折りにします。これが折りパイの三つ折りと呼ばれる所以です。
三つ折りしたら、90度生地の向きを変えて、再び生地を伸ばします。生地の折りの向きを変えることでグルテン形成を抑制するためです。
再び三つ折りしたら、生地が乾燥しないようにラップで包んで冷蔵で休ませます。
ピスタチオと松の実のクリーム
ガレットデロワには、アーモンドクリームを詰めて焼き上げるのが伝統的なスタイルですが
ペルシュのガレットデロワには、アーモンドとピスタチオのパウダーをブレンドしたクリームを仕込み、詰めます。
柔らかく戻した発酵バターに、アーモンドのはちみつと粉糖を加えて擦り合わせたら、溶きほぐした玉子を加えて乳化させます。この後、ピスタチオ、バレンシアアーモンド、薄力粉のミックスを加えて混ぜ合わせます。
そしてクリームの風味をより豊かに仕上げるために、アーモンドオードヴィを加えて仕上げます。
型抜きしたフィユタージュに、出来上がったクリームを絞り出してプラリネのペーストをクリームの周りに一周させます。
このプラリネは、シロップと一緒に鍋でキャラメリゼさせた松の実。絶えずかき混ぜながら、松の実全体にキャラメルを糖衣させることで、カリッと香ばしく仕上がります。
これをフードプロセッサーにかけて、粗挽きのペースト状に仕上げたものを使用します。
二枚のフィユタージュを張り合わせて、指で端を押さえてクリームが出ないようにしたら、ナイフを使って模様を入れます。
伝統的には4種類の模様があり、葉っぱを象った月桂樹、渦巻き状のような模様は、太陽、線状のものは麦の穂、その他はひまわりがあるようです。
塗り卵を塗って、じっくりと火を通します。ガレットデロワの焼き方は実に様々な方法があるようですが、パイの層を楽しむため、天板で重しをせずに焼き上げました。パリッとした歯触りとリッチなクリームの豊かな香りと味わい。新年のお祝い菓子の名に恥じないような仕上がりを自負しております。
年末年始の営業についての案内
26日月曜日を最後に、年内いっぱい営業いたします。なお、30日、31日は、午後6時までの営業です。
新年は2日午前10時からの営業です。夕方5時までとさせていただきます。
3日は午前10時から夕方6時まで。
4日は午前9時から午後7時まで。5日より平常営業しますが、9日祝日は休業いたしますのでご注意ください。以上よろしくお願い申しあげます。
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