ペルシュのこだわりの焼き菓子、ダックワーズを徹底紹介します
ダックワーズ。大体のケーキ屋さん、パティスリーで目にする、定番中の定番として認知されている焼き菓子。ペルシュオープン時から提供を続け、幾度となく細やかな変更を繰り返しながらそのこだわりを一手に盛り込んだアイテムのひとつとも言えるのです。
今回、無骨な焼き菓子にフォーカスを当てての紹介となるのですが、随所に散りばめられた「ペルシュらしいこだわり」というものを感じ取っていただければと思います。
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ダックワーズの美味しさとこだわりの秘密
ダックワーズの仕込みと焼成
卵白には、グラニュー糖と乾燥卵白を加えて合わせたものを加えて泡立てます。
卵白は割卵してからすぐにハンドミキサーを用いて「コシを切った状態」にします。水様化した卵白を泡立てるときめ細かいメレンゲができますが、卵白から出る匂いが気になるため、鮮度の良いものを用いているのです。
アーモンドはカリフォルニア、ノンパレルのアーモンドを高温のオーブンでから焼きしてからミキサーでパウダー状に粉砕しておきます。
から焼き。と述べながらも、アーモンドの薄皮が香り立ってきたところでオーブンから取り出すので、半焼き程度の具合です。
泡立てたメレンゲと、ローストして粉砕したアーモンドパウダーと、非加熱マルコナ種アーモンドパウダー、粉糖、薄力粉を合わせてふるったものを合わせて生地を仕上げます。
シャブロンと呼ばれる、型を用いて、出来上がった生地を絞り出していきます。製菓用語でシャブロネと呼ばれる、生地を擦り込む作業はこの型を用いて行うところからきているようです。
シャブロンをそっと外して
粉糖をふりかけます。一度は生地全体に振り、しばらく休ませて糖分が溶けてから二回目を振り掛けて200度のオーブンで焼成します。
二度に分けて粉糖を振ることで、表面に糖の「膜」が形成され、サクッとした食感が生まれるのです。
サンドには自家製の粗挽きプラリネノワゼット、プラリネアマンドの2種類をブレンドしたものと、クレームオゥブール(バタークリーム)をしっかりと混ぜ合わせて
焼き上げて裏返した生地に絞り出して、もう一枚のビスキュイダクワーズで貼り合わせて完成。
ローストしたアーモンドの香りと焼き込んだことにより生まれる味わい。ふんわりさっくりした食感すべての完成度は、シンプルな素材を集めたからこそ、ひとつひとつのこだわりが仕上がりを大きく左右すると言えるでしょう。それほどにこだわりを持って仕上げた自信作のひとつです。さながらアーモンドづくしのマカロンとも言えるかもしれませんが、より軽やかな食感を楽しんでいただければと思います。
エアリー、ふんわりと軽やかなパイを提案する
パートフィロ(pâte filo)。お料理や、手作りで頻繁にお菓子を作る方などはその名前を聞いたことと思われます。この生地は、ギリシア発祥の、小麦粉(場合によってはとうもろこしの粉を入れる場合もある)と水、塩、オイルで作った薄皮。フィロの語源はギリシャ語の木の葉という意味だそうです。
タイトルで冠した「エアリー」、軽やかな印象を指す意味合いは、パートブリゼ、パートフィユテ。練り、または折りパイ生地に比べれば格段に使用するバターの量も少なく、少し暖かい気候になってくるこの時期、少し軽やかなあと口を演出したく提案するいちごの生パイなのです。以下に製法を交えながら紹介していきます。
パートフィロの整形
パートフィロは一枚づつ丁寧に剥がして、室温に戻した溶かしバターを塗って、生地を貼り合わせます。
好みの大きさに切り分けてから、型に敷き込み、アーモンドクリームを絞り出します。
土台となるタルトフィロは、3枚重ねしたものをフォンサージュするのですが、焼成するものによって異なる焼成時間に合わせて、厚みを変える意味もあります。もちろん、食感の印象をよりはっきりつけたい場合、重ねる枚数を増やすようです。焼成は35分程度と、タルトやフィユタージュのベースに比べるとやや短め。アーモンドクリームに火が通ったらオーブンから取り出して冷やしておきます。
いちごのホイップクリーム
グラニュー糖、寒天がベースの凝固剤、いちごのピューレを合わせて火にかけ、ジェル状に固めたもの。
ここで使用するのはいちごの甘みよりも、口にした時に感じる青臭さがフレッシュ感をもたらしてくれる、カマロッサ種を使用。
これを高速のミキサーにかけてほぐし、
低脂肪の生クリームを加えて泡立てていきます。
フルーツの味わいを損なわないよう、脂肪分を抑えるのと同時に、軽い味わいのホイップクリームが泡立ちます。
カスタードクリームを絞り出し、いちごを並べてから、いちごのホイップクリームを絞り出します。
ホイップクリームの中にいちごのコンフィチュールを適量絞り出して仕上げていきます。
いちごとフィロ、アーモンドクリームの食べ応えに差が広がるのが面白い。いつもよりもややすっきりとした余韻から、軽やかなそれを感じ取っていただければ幸いです。
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