ロイヤルミルクティーとアールグレイ。紅茶をスイーツに巧みに使い分ける
紅茶のあじわいをスイーツに取り入れることともなると、真っ先に思いつくのがアールグレイ。ベルガモットの香りをつけた、フレーバーティの代表で、紅茶らしさを表現することも容易だからでしょう。
もうひとつ。スイーツづくりで欠かせない、乳との相性を考えた場合の紅茶葉といえば、アッサム。特に煮込んで茶葉の味わいをしっかりと抽出するタイプのミルクティーにはアッサムCTCが最適。
今回は2種類の紅茶を用いて、いちばん最初に食べるであろう、飾りとしてのパーツとしてのジュレにはアールグレイの茶葉で抽出したものを。
アッサムCTCの茶葉で濃く抽出した牛乳で炊き上げたアングレーズクリームには液状のフレッシュクリームを加えた濃厚なミルクティーのバヴァロアを。
2種類の紅茶をつなぐのはマンダリンオレンジ。温州みかんがこの単語をもっとも訳するのに適した品種で、オレンジに比べてあっさりとしていて酸味がしっかりしている。紅茶との相性の良さを楽しみながら、味わいの変化をともに感じ取ってみてください。
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ロイヤルミルクティーを表現したバヴァロアとマンダリンのムースを組み合わせる
ミルクティーの仕込み
水と紅茶葉、アッサムCTCを鍋に入れて火にかけて沸かし、牛乳を加えて再度火にかけて煮立たせて。
ロイヤルミルクティーの製法をそのまま取り入れます。(補足ですがロイヤルミルクティーは和製英語。シチュードティ。というのが正しい名称です)
裏ごした抽出液に低脂肪のフレッシュクリームを加えて再度温めたら
グラニュー糖と擦り合わせた卵黄に注ぎ入れて、弱火にかけてアングレーズクリームを炊き上げます。
煮上げたアングレーズクリームにゼラチンを加えて溶かしたら、裏ごして氷水で冷やし、型に流し入れます。
ビスキュイパンドジェンヌの仕込み
バレンシア種アーモンドパウダー、ヘーゼルナッツパウダー、玉子とグラニュー糖、そしてここではマンダリンオレンジの果皮の代わりに、カラマンダリンを削ったものを使用します。
パータケイクの製法と同様、フレッシュバター、生クリームを合わせたリッチな生地は流動性もあり、生地を一晩かけて休ませ、小麦粉に水分を移行させてから焼成します。焼き上げたパンドジェンヌは切り分けて準備しておきます。
マンダリンオレンジのムース
マンダリンのジュースにはゲル化剤の顆粒を加えて溶かし
コンサントレ(濃縮果汁)を加えます。果汁のみでは糖分、生クリームなどが加わると味わいが淡白になりすぎてボケてしまうため、しっかりとしたフレーバリングを施しておきます。
マンダリンジュースがゲル化してきたところで、あらかじめ泡立てておいたイタリアンメレンゲを加えて
ホイップクリームを合わせてふんわりとした食感のムースを完成させます。
アールグレイのジュレとデコレーション
アールグレイの茶葉に熱したお湯を注ぎ入れて蒸らした抽出液と、カラギナンベースの凝固剤、グラニュー糖を合わせて、アールグレイ風味のジュレを作ります。
凝固剤の働きが鈍くなる、渋み成分のタンニンがでないよう、慎重に作業します。
オレンジのジェリエンヌを準備します。
細切りにしたオレンジ表皮を三回茹でこぼしてから、徐々に糖度を上げて煮込む自家製を使用します。
マンダリンオレンジで炊き上げたフルーツカスタード、アールグレイジュレ、パンドジェンヌを配したら完成。画像のようにひとすくいしていただいても、上から順に召し上がっていただいても構いません。
爽やかな柑橘の香りのアールグレイはのどごし良いジュレで、フルーツクリームとムースを合わせて口にすることでより味わいが引き立つマンダリンムースの層。パンドジェンヌにもほのかに柑橘の味わいを感じ、ミルクティーのアングレーズは優しく全体の印象を豊かに落ち着かせてくれる働きを担ってくれています。
関連リンク
;カラギナンに関する記述の詳細はこちらから
ミルクティーの製法を動画で紹介しています
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