2018年ペルシュのバレンタイン新作チョコレートの紹介です。
2018年、これほどの寒波に見舞われることも珍しいものです。
バレンタインを境に、勝手な印象ではあるのですが春へと季節が進むひとつの節目のように感じるのです。
ハート型という、キュートなビジュアルには愛おしさと、今シーズンのコンセプトに据えたお花をモチーフにしたコレクションひとつひとつが花びらのようにも見える、ハートのフォルムを採用した理由にもつながることは最初にお伝えしておきます。
花吹雪くアロマのクードゥショコラ
寒中の季節の折、春を待ちわびる思いが吹雪の景色からインスピレーションを得て思いついたアソートボックスの名称です。正直拙い発想ですが2018年ペルシュのチョコレートコレクションの新作として新たに登場しました。
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お花のアロマを取り入れたショコラの製法を紹介します
さくら咲くホワイトハート
グリオットチェリーのコンポートと、桜が薫るホワイトチョコレートのガナッシュ。
グリオットチェリーはフランス版サワーチェリー。
ピューレをペクチンと一緒に温めながら火にかけて、グラニュー糖を数回に分けて加えながら煮詰めていきます。
液状のピューレが次第に重たい質感に変化し、十分に煮詰まったところで火を止めてボウルにあけてラップをかぶせて乾燥を防ぎながら、室温になるまでゆっくりと冷やします。
十分に熱が抜けたところで、桜リキュールを加えてよくかき混ぜて、グリオットコンポートの完成です。
ホワイトチョコレートのシェルにコンポートを絞り出し、表面が乾燥するまで室温で休ませます。
桜風味のガナッシュは、同じ香り成分を持つ、トンカビーンを使用します。
薄くスライスするように刻み、温めた生クリームの中に入れて、30分程度置いて香りを抽出します。
溶かしておいたホワイトチョコに裏ごしながら生クリームを注ぎ入れてガナッシュに仕上げます。
十分に乾いたコンポートの上に、出来上がったガナッシュを絞り出します。
一晩置いて結晶化させたガナッシュをテンパリングしたチョコレートでクロージングして完成です。
ふわり焦がれるレモンハート
やさしく広がるキャラメルガナッシュに、甘酸っぱいレモンの酸味と、香り高いベルガモットのアロマを感じて。
削ったレモン果皮と生クリームを一緒に煮立たせたものと、焦がしたグラニュー糖を合わせて、ほんのり香ばしいキャラメルを仕込みます。
ホワイトチョコレートに注ぎ入れたら空気が入らないようによく混ぜ合わせて乳化させます。
アールグレイでも使われる、ベルガモットエッセンスを加えて艶やかな状態になるまで再度ミキサーにかけて完成です。
キャラメルレモン、ベルガモットの爽やかな香り。と、順に口の中で時間を置いて広がるアロマが楽しい仕上がりです。
黄金色のオレンジハート
ビターアーモンドのふくよかな香りとブロンドチョコレート、南仏の陽だまりを思わせるオレンジフラワーを組み合わせて。
自家製のアーモンドプラリネ、ビターなフレーバーが広がるアーモンドミルクを合わせて温めて
ブロンドチョコレートに注ぎ入れます。スティックミキサーでしっかりと混ぜ合わせて、バターを加えます。
オレンジフラワーを加えて気泡のないようにしっかりと混ぜ合わせます。
アーモンドミルクが持つ、杏仁のようなビターな香りに、オレンジフラワーの濃厚なローストしたバターのようなアロマとのペアリングは、南フランスの暖かで少しオリエンタルな印象を感じさせる独特な味わいに仕上がっています。
乙女華咲くローズハート
ミルクチョコレートとラズベリーの酸味のフレーバーに、ローズティーの香りをひらりと華咲かせて。
バラの香りは、ローズティーから取り出します。
冷たい生クリームに一晩漬け込んでじっくりと香りを抽出することで、紅茶の渋み成分が出ることを抑制します。
翌日、茶葉を漉してクリームを温め、ミルクチョコレートと混ぜ合わせてガナッシュを仕上げていきます。
最初に漬け込み用で計量した生クリームから、茶葉を漬け込んだことで不足したクリームの分だけラズベリーの濃縮エキスを加えて混ぜ合わせます。
ラズベリーの酸味の後ろ側に、ほのかに感じる程度のローズのアロマです。その強い個性的な香りよりも、ミルクチョコレートとラズベリーのバランスをうまく取り持つ、奥ゆかしい印象に仕上げました。
真紅の大輪レッドハート
甘くマイルドなハイビスカスのアロマにストロベリーの早熟な甘味。
サントメのエキゾティックなカカオとの交わりが味わいの広がりを魅せる大輪の花の様。
いちごの濃縮エキスは、サントメカカオの、ストロベリージャムのようなアロマを纏ったカカオ分60%以上のハイカカオブラックチョコレートと合わせて。ビターチョコレートのイメージをいい意味で裏切る組み合わせ。
カカオとのペアリングを助長するのが、スイートで温かみのあるハイビスカスアロマ。
いちごとハイビスカスでは少し幼い印象になってしまうのですが、少しビターなフレーバーと組み合わせることで広がりのある味わいに仕上がるのです。
紺藤色の鮮やかハート
甘美でキレのあるスミレの香りに奥ゆかしいレグリスとアンデスカカオがふくよかな奥行きを与えます。
ヴァイオレットの香りはシャープな印象もありつつ、温かみや甘みのしっかりとした印象も併せ持つフローラルなアロマ。
少し鼻腔にツンとくる、レグリスの粉末を生クリームに加えて温めます。
はちみつ、グルコースも一緒に溶かしながら温めていくことで、レグリスの甘みが引き立つのです。
クリームが沸騰したら火を止めて、裏ごしながらチョコレートに注ぎ入れます。
ペルー産カカオには、苦味と酸味のトーンの他、ベリー類の酸味やほのかにミントの香りをニュアンスさせる部分もあったりします。
加熱前のレグリスの酸味のトーンと、スミレの甘いアロマとが調和し、チョコレートの味わいにボリュームをもたらしてくれるのです。
チョコレートの食べる順番は、ここで紹介させていただいた流れで召し上がっていただければ良いかと思いますが、もちろん気になる順、お好きな順で構いません!
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