さっくりと混ぜ合わせるのか、しっかりと混ぜるのか。グルテンのことについて
お菓子作りの本とか結構こうやって書いてるんだけど。
じゃあ、さっくり感ってどこを指してるわけ?
いい質問ホヨね〜。
グルテンって、すごくNGな印象がスイーツに対しては蔓延してるように感じるホヨけど、小麦粉を使う場合にはグルテンの役割をきちんと理解することが大切ホヨね
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ガレットブルトンヌの作り方
柔らかくしたバターと粉糖を擦り合わせます。バターの油分を糖分で糖衣するため、ツヤが出てくるまでゆっくりと擦り合わせ、バターに糖分をなじませます。この作業ひとつで、焼きあがったクッキーから油分がにじみ出ることを大幅に削減できるのです。
卵黄を加えてきちんと混ぜ合わせたら、ふるった薄力粉と塩を加えます。
ここで加える塩は、フランス現地で「Fleur de Sel – フルール・ド・セル」と呼ばれている希少な塩です。塩田の終点「オイエ」と呼ばれる採塩池で、濃くなった海水にふわりと最初に浮かぶ「塩の花」。それを丁寧にすくい取っていきます。天候によってはできない日もあり、いまだ正確な生成条件は分かっていません。ゲランドの塩全体の5%程度しか採れない希少な塩で、昔は生産者だけの秘蔵品だったようです。
粒も大きく、クッキーに加えてもその存在感もくっきりと印象に残る塩です。
クッキーではしばしば「さっくりと混ぜ合わせる」つまりグルテンが出ないように混ぜ合わせることが鉄則のように言われてきました。
ところが、ボロボロと崩れてしまう厚焼きクッキーは、バターの風味を噛み締めるヒマがなくなるのです。
グルテンの出し過ぎは硬くなりすぎて歯ごたえが。などと敬遠されてきましたが、どこまで?どのくらい?の曖昧さに、「ここまで」という加減をきちんとルール化すれば、毎回一定の混ぜ加減で生地が安定します。グルテンが程よくつながった生地を焼きあげると、目地の均一さが旨みを逃がさないネットのような役割を担ってくれるようにも感じるのです。(あくまで仮定ですが)
ふるった薄力粉を加えます。
低速のミキサーでゆっくりと混ぜ、概ね混ざった状態です。
さらに攪拌を続けると、生地が引っ張られて次第に帯状に伸びていくような状態に変化します。これがグルテン形成の過程そのものです。ほんのすこし生地ツヤが出てくるのも面白いです。
成形。つまり型抜きでは極力生地を傷めないように、二枚のOPPフィルムで生地を挟み10mm厚のルーラーをセットした状態で生地を伸して冷やし固めておきます。
冷え固まった生地を、丸抜き型で伸さずに抜き取ります。
伸す手間の軽減、打ち粉が確実に減るので、食感も格段に安定します。
卵黄に少量の水を加えて、ドリュール(塗り卵)を二回に分けて塗り、フォークで模様をつけてから焼成です。
セルクル、型は使わず、シルフォームを使用します。(詳細はこちらから)
170度、50分程度で焼成すれば焼き上がりです!
これを食べ比べるホヨね〜
バターの違いがすごい!フランス産のは濃厚な後味が続くし、いつものブルトンヌはお塩のパンチが一番効いてる。
全粒粉タイプは食感もすこし変わってるし、小麦粉の風味も強調されてる。どれも個性が出ていて楽しいわね〜
肝心なのは、薄力粉、強力粉それぞれの違いについてもきちんとした知識を覚えておく必要があるホヨけど、また次回解説するホヨね♡
福井県鯖江市でケーキ屋を営むシェフが、お菓子についての疑問を幅広く解説することを代弁する小鳥。
現場で培った経験はもちろん、ケーキ作りで欠かせないレシピ作りの構成、素材に対しての向き合い方。
時々自身のブログではお菓子作りを通じての活動や日々感じたことも紹介しています。
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