2019年、ペルシュバレンタインコレクション 焼き菓子編

バレンタイン向けの焼き菓子の紹介ですが、寒い季節の代謝が落ちる時期だからこそ、濃厚な味わいの骨太な美味しさの本領発揮。といったところでしょうか?
しかしながら、今回ご紹介したい、2019年のギフトコレクションは、チョコレートは部分的に使用するだけに留まり、カカオパウダーのみでフレーバリングした、吉岡染色のパウンドケーキ。他店では決して真似のできない、ペルシュ独自のフレーバリング、自家製フルーツの漬け込みをたっぷりと漬け込んで仕上げたところ。オリジナリティも追求の余念がありません。

今回もその製法を余すことなくご紹介します!そして、定番のクッキー、ブールドネージュのチョコレートアレンジバージョンもあわせてご覧くださいませ!

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白ワイン、ゲヴゥルツトラミネールで漬け込んだフルーツたっぷりのパウンドケーキ

チョコレートは加えず、カカオパウダーで仕上げるパウンドケーキは、チョコレートの油分と固形分が加わらないため、少し軽やかな口どけになります。
香りを活かたフルーツの漬け込みを味わっていただきたく、開発したパウンドケーキの製法をご紹介します。

生地の仕込みは、最後に溶かしバターを加えるパートケークスタイル。この製法はマドレーヌが最も有名ですね。
全卵に粉糖、転化糖を加えて混ぜ合わせたら、35度まで温めます。

一般的にはグラニュー糖を加えますが、ここでは粉糖をセレクト。砂糖は一般的に体積の大きさに比例して膨張率が上がります。
すなわち、同じ配合でも使うお砂糖が変われば膨らみ方も変わるのです。グラニュー糖よりも「みっちりとした」焼き上がりになり、少しもちもち感も生まれます。

ふるっておいた薄力粉、カカオパウダー、ベーキングパウダーを加えて、粉気がなくなるまでホイッパーを使って混ぜ合わせます。

室温のヘーゼルナッツオイルを合わせて混ぜ合わせます。
植物性なので、熱の変化で硬さが変わることがないので最初に加えて馴染ませておきます。

フランスはノルマンディー産のバターを溶かして加えます。
画像左側がフランス産で、右側が国内産のパーチバター。色合いもフランス産のものの方が色合いも黄色味がかっていますよね。風味も強めなので、クセが強く出る場合があります。

熱く溶かしたバターを加えて、中心部分から外に向かって徐々に全体を馴染ませていく乳化のプロセスで、3〜4回に分けて生地を完成させていきます。

バターがすべて入った状態。
生地は少し重ためで粘性のある仕上がりです。

自家製フルーツミックスを大胆に加えて型に分割して焼成します。
それではここでフルーツの漬け込みを紹介したいと思います。

漬け込むフルーツは、バナナ、スペイン産オレンジの輪切り、サンマスカットレーズン、そしてローストして刻んだヘーゼルナッツ。
今回使用するお酒は、北フランス、ドイツ地方などが名産の白ワイン、ゲヴゥルツトラミネール
自家製でフルーツパウンドを作りたくて漬け込みなどをされた経験のある方なら、もしかして疑問符が出るかもしれません。

今回は、ゲヴゥルツトラミネールという、白ぶどう品種を蒸溜(粗溜)し、さらにもう一度蒸溜(精溜)して、アルコール度数を50%くらいまで高めたブドウの蒸溜酒、マールを使って漬け込んでいるということ。

ワインタイプ、オードヴィ、そして糖度を補うためにサトウキビ100%由来のシロップを加えて熟成させます。
なお、自家製漬け込みフルーツのより詳しい内容については、ペルシュサマーフルーツパウンドケーキの投稿の際に触れております。こちらからご覧ください

概ね2ヶ月間漬け込んだ状態。バナナ、オレンジのトップノートから、ゲヴゥルツ特有のアロマが全体のニュアンスを持ち上げてくれる。そんなニュアンスです。

焼き上げたケイクは、乾燥を防ぐため焼成後すぐにケースに入れて一晩保管します。
テンパリングしたブラックチョコレート、フルーツなどで仕上げて完成です。今回はみっちりとした個性的なバターとカカオのフレーバーの広がりを愉しんでもらいたい。そんな思いがあるので、アンビバージュはせずに、漬け込みフルーツのアロマ、熟成された味わいをじっくりと噛み締めていただきたいものです。
溶かしたチョコレートは生地に加えずに仕上げたので、どっしりハードなニュアンスがないので、むしろ新しく感じるかチョコレートパウンドかもしれないですね。

 

チョコレートフレーバーのブールドネージュ

ブールドネージュカカオは、冬限定の、カカオフレーバーのまんまるクッキーです。雪の玉のネーミングそのまま、少し灰色がかった風合いも個性的です。

生地の仕込みは、ブールドネージュの食感の要ともなる、水分を加えないところにあります。ただ、生地の風味が単調になるので、ココアパウダーに加えて、カカオマスを生地にプラスすることで、カカオの苦味とほのかな酸味が豊かに広がってくれるのです。砕いたくるみもたっぷりと配合してあります。

焼きあがってすぐの、クッキーが熱いうちに粉糖の中にくぐらせて、表面を糖衣させて完成。
ひらり、ほろり、淡くほどける雪のような食感にくるみの噛み応えのアクセント、ゆっくりと味わってみてください。キュートでエレガントな印象の缶入りも数量限定ですのでお早めに!

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