2019年クリスマスケーキにバタークリームのオペラはいかがでしょうか
クリスマスに向けて今季絶対に外せない、どうしても発表したい。構想としてずっと温めてきたクリスマスケーキが、今回紹介するブールビッシュカフェキャラメル。
キャラメルのソフトスポンジ、コーヒー風味のバタークリーム。そして今回のアントルメの土台となっているのがフランス伝統のトラディッショナルガトー、オペラ。
コーヒー、チョコレート、ラム&ブランデー。バタークリームベースでサンドされたお菓子の根幹と、ちょっぴり重くヘヴィな味わいが絶対クセになる。なってほしい。推し感激アツなクラシックな味わいは、懐古的でいて、新しくもある。クリスマスという特別なイベントでは、普段お菓子を嗜むことのない男性の方も多数その機会に恵まれるからこそ、とも言える提案です。
今年の母の日に、キャラメルと燻製塩バターサンドを発表しました。詳細はこちらをクリックしてください常連様にはこの時既にクリスマス向けに構想を練っているとこっそり伝えたことも。そしてこのバタークリームケーキが予想以上に好感触だったのもはずみになったのです。
バタークリームの概念を覆す。といえば大げさですが、それくらいの意気込みを持って発表するバターケーキ、懐かしさと共にお楽しみいただければと思います。アルコールを感じます。お召し上がりの際にはご注意ください。
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フランス産バターとコーヒーフレーバーのバタークリームケーキ
メレンゲとアングレーズクリームのバタークリームの製法
使用するコーヒー豆は、コロンビア アンデスコンドル。フランスA.O.Pバター、ラヴィエットの持つ発酵香を邪魔しない、重ためのトーンのフレーバービーンをセレクト。細かく砕いておき、冷たい牛乳に漬け置いて一晩かけて香りを抽出しておきます。
翌日豆を裏ごし、解きほぐした卵黄に注ぎ入れて、アングレーズソースのように炊き上げます。
なめらかな食感になるように、ゴムヘラを用いてゆっくりと加熱、卵黄に火入れしていくのです。
やわらくしておいたラヴィエットバターに裏ごしたアングレーズクリームを一度に注ぎ入れてなめらかになるように混ぜ合わせます。
アングレーズベースの牛乳(水分)、バターの油脂分はすぐに乳化状態にまとまります。これは卵黄のレシチンの効力によるもの。
アングレーズとバターを混ぜ終えた状態。
泡立てたイタリアンメレンゲを数回に分けて加え、都度しっかりと混ぜ合わせていきます。
卵白は水分なので油分との混ざりがよくないため、乳化状態を損なわないように注意して混ぜていきます。
エスプレッソ抽出したコーヒー豆のブレンドは、「オペラ」を構築する際に欠かせない、トラディッショナルな味わいの要となるラムシロップとの2本柱。
マウントゲイラムは、1703年誕生の文献上最古のラムと言われています。ラム酒は大きく分類すると軽やかでフルーティなスタイルと、どっしりとしたミディアムトーンの余韻が長いダークラムの二種類だと思っています。
マウントゲイは後者のダークラムで、かすかな樽香と、さとうきびの余韻が長く続くプレミアムな味わい。ラムの香りとラヴィエットの発酵香を殺さず助長するエスプレッソブレンドを、カメイコーヒーロースター、竹森氏に依頼。出来上がったブレンドの詳細を氏の解説として書き記します。
今回は4種類の豆(ブラジル、エチオピア、グアテマラ、マンデリン)をブレンドさせました。
まず、甘さが出るように、コーヒー豆の生産処理方法がナチュラル(収穫したコーヒー豆のまわりに果肉がついた状態で乾燥させてから脱穀しコーヒー豆を取り出す方法)のブラジルとエチオピア。
そこに、甘さとコクが出るように、アラビカ種の中でもブルボンという品種が使われているグアテマラをチョイスして焙煎。深めにやいたのですが、この状態だと少しコクがもの足りなく感じる。
後日上記の3種類にマンデリンをブレンドして、深煎りに仕上げました。これで、ラム酒に負けないしっかりとしたボディと甘さのあるブレンドに仕上げています。
低糖度のシロップとエスプレッソ、ラムを合わせたシロップをキャラメルのソフトスポンジにアンビベして、
バタークリームを塗り広げてサンドしていきます。
サンドができたら切り分けて、側面にバタークリームとテンパリングしたチョコレートをそれぞれ2面ずつ塗りこみます。
デコールにはチョコレートソース、ピーカンナッツなどを添えています。
お召し上がりの際は、室温にしばらく置いてからお召し上がりください。それによってバタークリームが柔らかくなります。同時にラム酒とエスプレッソの豊潤な香りが広がります。
キャラメルは苦味を利かせていますので、全体を引き締める役割を果たしてくれます。
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