ペルシュの通年商品、ショコラスペシャルとレアチーズタルトをご紹介!
ガトーショコラ gâteau au chocolat 、直訳してしまえば、「チョコレートケーキ」。ザ、チョコレート感の強いビジュアルを纏うチョコレートケーキは、ペルシュのオープン当初、2002年はドーム型で提供していたのですが、それ以降は現在のカタチに落ち着き、特にビジュアルにおいても特段の変化もなく永きに渡りショウケースの一角を支えてきました。
春夏秋冬問わず、しっかりした味わいのチョコレートケーキをマストアイテムとして並べる。タイトルにも掲げた、通年の定番商品としてしっかり根付いたのは誉ですね。使用するチョコレートも、ベルギーに本社を構える、ベルコラーデ社のものを変わらず使用してきました。
2020年現在、同社が掲げるカカオトレースの理念に基づき、ベトナム産カカオ使用のショコランテガーデナーシリーズで商品の製造を行っています。カカオトレースの詳細を、ペルシュのガトーショコラで詳しく解説しています。こちらから
今回の投稿では、ショウケースのケーキで最も選ばれるであろう、ショートケーキのトップ3に君臨するであろう、大人気のチョコレートケーキをじっくり解説していきます。
後半では同じくオープン当初から提供しているホールケーキ、レアチーズタルトについても紹介していますので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです!
スポンサーリンク
ペルシュの人気スイーツ、ショコラスペシャルの製法を解説します
チョコレートづくしのケーキは季節を問わず多くの方に好まれ、どこのお菓子屋さんでも必ずお目にかかるアイテムの一つですね。
しっかりとした濃厚な味わいなのですが、季節を問わず人気の高いアイテムです。もし、初めてご来店いただいた際に、どのお菓子にしようか悩まれたら選んでみるのも良いかもしれませんね!それではその製法を解説していきます。
ビスキュイカカオの焼成
全卵共立てのスポンジですが、小麦粉は加えずにカカオパウダーのみで焼き上げる、ビターな味わいのスポンジ生地です。
通常、小麦粉をブレンドするのですが、ココアパウダーのみにすることでグルテン形成することなく、口の中でカカオの風味が広がっていくといった仕組みです。
製法で少々難点があり、吸水の強いカカオパウダーはとにかく手早く合わせなければいけないので、スピードが要求されます。そしてココアパウダーには油脂分が20%ほど含まれているため、泡立てたたまごの気泡が壊れやすくなってしまいます。つまり、ふんわりしていないといけないスポンジが、「ぺしゃっ」とひしゃげてしまい、ベタっとした食感になってしますのです。土台づくりは最も重要な要素ですね。
二種類のチョコレートムースは、ミルクチョコレート(カカオ38%) 、ダークチョコレート(カカオ62%) をそれぞれ仕込み、順に組み立てていきます。
ふんわりと泡立てた卵黄、パータボンブとホイップクリーム、チョコレートを合わせていきます。
パータボンブについて、製法の詳細もご覧いただけます。こちらから
ミルクチョコレートはカカオ分が低いため、冷やした時の固まり方も弱め。パータボンブに溶かしたゼラチンを合わせて、適度な口溶けをキープします。
卵黄に含まれるレシチンの乳化力を活かして、チョコレートと合わせながらよりしっかりとした結晶化を促します。この作業が生チョコの様な口溶けも産み出し、滑らかに口の中でカカオの風味が広がっていくのです!
おおむね1/3量のボンブクリームを合わせたら、ホイップクリームを加えてさらになめらかな状態に。
チョコレートがクリーミーな状態になったところで、ホイップクリーム、パータボンブの順に混ぜ合わせ、空気をたくさん含んだ、ふんわりとした食感のチョコレートムースが完成します。
ブラックチョコレートも同様にパータボンブ、ホイップクリームと合わせます。カカオマス、カカオバターの力を借りて、ゼラチンは加えずにチョコレートの凝固力のみで固まるからです。
逆さ仕込みで、ミルクチョコレートムース、ビスキュイカカオ、ブラックチョコレートムースの順に伸ばし、もう一枚のビスキュイカカオで蓋をして冷やし固めます。
仕上げ
表面につややかなグレーズを塗り広げ、切り分けます。
カカオパウダーとグラニュー糖、生クリーム、そしてゼラチンを煮詰めて仕込んだ、グラサージュカカオも自家製です。
上記の材料を全て混ぜ合わせて、108度までしっかり煮詰めます。
水分を飛ばすことで、糖度も上がり、ツヤのある黒いカカオペーストが完成します。流動性と全体を覆うことができる様、ナパージュヌートルを加えてさらに混ぜ合わせます。
出来上がったグレーズは冷蔵庫で一晩寝かせてから、再度温めて使用します。カカオが原材料のアイテムは全般的にカカオ分の結晶化の作業が必須なので、時間がかかります。
このグレーズを冷やし固めたチョコレートムースに上掛けして、生チョコレート、いちご、カシューナッツを添えて仕上げます。
ショコラスペシャルのホールケーキはこちらからご注文いただけます
レアチーズタルトの製法を紹介します
今回紹介するレアチーズのレシピは、修行時代、初めて手にしたレシピでした。
構成そのものはタルトではなかったのですが、その後いろんなレアチーズを作ってきましたが、このレシピのレアチーズには独特の美味しさがあると思っています。
濃厚になりがちなチーズのお菓子ですが、ふんわりのメレンゲを加えて仕込んだことで、軽い口当たりを実現したレアチーズに仕上がりました。
それでは気になる製法を、順を追って紹介したいと思います!
レアチーズムースの仕込み
クリームチーズには削ったレモン表皮を加えてすっきりとした香りをプラスします。少量のグラニュー糖も一緒に混ぜ合わせます。
甘口のデザートワイン、マディラを加えます。
フランス南西部の赤ワインで、チーズの味わいの奥深さを加える意味合いです。
溶かしておいたゼラチン、レモンジュース、マディラワインをクリームチーズに加えて混ぜ合わせて
熱いシロップを加えてイタリアンメレンゲを泡立てます。
イタリアンメレンゲについての詳細を記した投稿もご覧いただけます。こちらから
クリームチーズ、泡立てたホイップクリーム、イタリアンメレンゲをふんわりと混ぜ合わせます。
ここでは一番軽いテクスチャーのメレンゲ、クリームチーズと合わせてからホイップクリームとていねいに混ぜ合わせます。
予めから焼きしておいたタルトに、ホワイトチョコレートを塗っておきます。ムースの水分移行によるタルトの湿気りを防止する役割を果たす目的です。
レアチーズクリームを絞り出して、ラズベリーを並べます。
スライスしたスポンジ生地を挟んだら、
再度レアチーズクリームをこんもりとタルトの上に盛り付けて冷やし固めればできあがりです。
仕上げにはレアチーズの上にホイップクリームを塗って、ぐるりと一周スプーンでらせん模様を描きます。季節のフルーツで飾り付けしますが、チーズにマッチするフルーツ、マンゴー、パイナップル、バナナを多用します。
生クリームたっぷりのそれとは違ったふんわり軽い食感なので、お食事後のお召し上がりでも楽しんでいただけるのではないでしょうか?
スポンサーリンク