酸味と渋みと果実味がギュッと詰まったカシスオレンジ
カシス。
ワインの産地としても名高い、ブルゴーニュのカシスピューレ。カシスの味わいは実に多彩な表情があり、熟成されたベリーらしいトーン。圧縮したような渋み、特に樽で熟成したような。といった表現はまさにカシスの味わいを表現するにあたり外せない単語とも言えそうです。それ以外にも、甘みを加えてあげることで広がるフルーティな表情。
渋み、酸味、果実味。これらを余すことなく表現した、カシスのヴェリーヌを作成するヒントを、第4のワインとも称される、オレンジワインからヒントを得てのことです。
オレンジワインとは、「白ブドウを使って、赤ワインの製法で作られたワイン」のこと。
一般的に白ワインは白ブドウの種皮を取り除いて作るが、オレンジワインの場合は取り除かないでそのまま発酵させる。
そのため皮や種から色が出て、特徴のあるオレンジになるのだ。
もちろん、カクテルでも組み合わせられる、カシスオレンジ。この間違いのないペアリングにも着目しています。
ペルシュの夏の新作、ご紹介です!
オレンジワインからヒントを得たカシスのスイーツ
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スイートなムースカシス
カシスのピューレは焦げ付きやすいため、レンジ、またはオーブンで加熱します。
ピューレの加熱目的は、もっぱらゼラチンを溶かし込むだけです。
あらかじめ泡立てておいたイタリアンメレンゲとカシスのピューレの全量を加えて混ぜ合わせていきます。
泡立てたホイップクリームと混ぜ合わせます。
酸味の強いカシスは特に乳と反応するとザラつくため、あらかじめメレンゲと合わせてしまうことで、やさしく穏やかなフルーツ感のあるムースに仕上がります。
ムースショコラカシスの仕込み
カシスらしい渋みを、あえて引き立たせる構成。ホワイトチョコレートで若干の丸み、ブラックチョコレートは赤い果実の酸味のトーンがはっきりとしたペルー産ブラックチョコレートを使用します。
カシスは、ピューレと粒をブレンドして温め、軽く砕いてから使用します。
ゼラチンを加えて
クレームドカシスを加えたら
溶かしておいたチョコレートに注ぎ入れて、ガナッシュのように仕上げていきます。
しっかりと泡立てておいたホイップクリームと合わせていきます。
ここでも抗酸作用を抑えるため、ピューレと生クリームの一部を加えて伸ばしてから、全体を丁寧に馴染ませます。
スイートなカシスムース。サワーテイストのカシスショコラ。順に絞り出していきます。
オレンジカスタードクリーム
全卵、卵黄でやや濃厚なオレンジの口どけを感じるクリームに仕上げていきます。
グラニュー糖を擦り合わせて、温めたオレンジジュースを加えて混ぜ合わせます。
強火にかけて、カスタードクリームのように炊き上げます。
炊き上がりにはコアントローを。熱いクリームに手早く入れて、アルコール分は飛ばしてしまいます。
ネロリ。オレンジフラワーウォーターのエッセンスを加えます。ビターで華やかな香りも併せ持つ。カシスのフルーティさを引き立たせる、フルーツ同士のペアリングを意識します。
氷水で冷やしてから、ムースショコラカシスの上に絞り出します。
カシスゼリーを炊き上げる
鍋に水、カシスの実、オレンジ表皮、少量のグラニュー糖を加えて火にかけます。
15分ほど火にかけて、カシスのジュースを作ります。
裏ごしたら水とレモン果汁と合わせて再び火にかけます。
カラギナンベースのジュレに仕上げます。
沸騰させたら再び裏ごし、クレームドカシスを加えて冷やし固めます。
透明なコアントローのジュレ、チョコレートのパウンドケーキ、角切りしたカシスジュレで仕上げます。
オレンジフラワーウォーターのアロマがまずアクセントに。真ん中部分に絞り出した、カシスの渋みは意外にも一番最後に広がります。ムースカシスの方が柔らかく口どけも早く、オレンジと先に交わり、口の中に溶け込んでいくためです。ジュレの口どけもカシスとオレンジの味わいの後押しをしてくれる役割を果たす役割です。是非とも新しくて、カシスという食材をとことん掘り下げた完成系をお楽しみいただきたいです。
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