ホワイトチョコレートモカとヘーゼルナッツの美味しい組み合わせをジャースイーツでお届けします
ジャースイーツ。おそらくはメイソンジャーからの派生デザートではないかと思われる、このスイーツを、秋にめがけて発表します。もはや定番化した、ペルシュの人気スイーツ、ホワイトチョコレートモカを土台に、ヘーゼルナッツ、アーモンド、チョコレートを組み合わせました。
コーヒー、アーモンド、ヘーゼルナッツ、カカオ。実は四種類の種子を巧みに取り入れて仕上げた、濃厚さや香り高さが信条のなめらかスイーツ。ぜひ秋の夜長のお供にいかがでしょうか?
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単一品種のアフリカ産カカオでコーヒーとペアリングさせる
チョコレートソースの仕込み
いつもの通りに、チョコレート(油脂分)に、水分となるものを温めて加える手順、乳化を行います。
今回はアフリカ、タンザニア産のミルクチョコレート、「モロゴロ」をセレクト。酸味とウッディな香り。ふたつのバランスが程よい、トリニタリオ種。
ジャースタイルなので、せっかくなら。と、リキッド状で楽しめるチョコレートソースは、牛乳と水あめを温めて、チョコレートの持つ乳化力で保形をさせます。
画像の一番手前から、ツヤと粘りのある、乳化状態のチョコレート、分離のピークを迎えたチョコレート。ザラザラしたテクスチャーが見て取れます。そして、溶かしておいた状態のチョコレート。といった感じで、乳化状態を中心から形成させていくのです。
グラスの底部分に流しいれます。
この後一旦冷凍させて、その形状をしっかり楽しんでもらえるように。底部分なので、当然しっかりと「シメ」を担う役割も持ち合わせています。もちろん、トップのホワイトチョコレートモカにも負けない味わいに仕上げる必要があります。
ビスキュイにアンビバージュをする理由
シロップをスポンジ生地などに塗ることを、アンビベ、アンビバージュと呼びます。(フランス語)今回はこの作業手順に対するニーズについて考えたもらえたらと思います。
ビスキュイジョコンドの焼成
フランス菓子でこれほど多用されてきたビスキュイは他にはないのでは?というほどメジャーな、泡立てたアーモンドと全卵、アーモンドパウダーと粉糖。そしてメレンゲを別立てして合わせる、実にリッチで贅沢な味わいの薄焼きスポンジ。
溶かしバターも加えて、天板に薄く広げて、220〜230度の高温のオーブンで焼き上げます。
バニラスティックと水、グラニュー糖を合わせて、シロップを炊き上げます。
エスプレッソショットのコーヒーリキッド、くるみのリキュール、ノチェロを合わせて、アンビバージュ用にシロップを準備します。
焼き上げたビスキュイジョコンドは、グラスの内寸に合わせて型抜きして、シロップは軽くビスキュイの表面に塗っておきます。
先ほどのソースショコラを例に例えると一番ですが、水分量の多いソースに直接スポンジをセットすると、スポンジの目地の部分が水分を吸おうとします。これを水分移行と呼び、ソースショコラが持つ流動性が損なわれたり、ビスキュイが乾燥したりしてまう原因となります。
そこで生地表面にあらかじめ水分を吸わせておくことで、水分移行を抑制させるのと同時に、アルコールやフレーバーなどの補強をできるメリットがあります。何れにしても過度にシロップを打って、ベタベタにしてしまうと、本来のアーモンドの旨味(ビスキュイジョコンドの場合)が損なわれてしまうので注意しましょう。
ヘーゼルナッツのなめらかクリーム
プラリネノワゼットアランシエンヌ。
粗挽きのヘーゼルナッツは、あらかじめキャラメリーぜしておいたものを、ロボクープで粉砕した自家製を使用。
キャラメライズされたノワゼットのプラリネの食感を楽しんでもらうため、きちんとした乳化状態を手で形成します。温めた牛乳にゼラチンを溶かしこんで、分離状態から乳化へ。ゴムヘラで丁寧に混ぜ合わせながら、注意深く仕上げていきます。
エスプレッソ、チョコレート。二種類のリキュールをプラリネに注ぎ入れて、味わいを整えます。
氷水で冷やし、適度にゲル化してきたプラリネと、ゆるめに泡立てた低脂肪生クリームを、ゴムヘラで丁寧に合わせていきます。ここでは最低限の結晶化のポイントを見極め、なめらかな食感を際立たせるため、空気をたっぷりと含んだムーススタイルからは少し離れた、味わい深さの追求をします。
プラリネノワゼットのクレムーをしぼり入れたら、再びビスキュイジョコンドで蓋をして、アンビバージュ。
マンデリンビーンに漬け込んでおいた生クリームを泡立てて、コーヒーの風味を活かして仕上げた、ホワイトチョコレートモカクリームを絞り出します。
仕上げには、パンナコッタを少量。グレーズの雰囲気で流し入れて完成です。
とろりとした、なめらか食感で全体を構成した、秋のスイーツ。お楽しみくださいね!
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